JIA京都建築家展2017
世界から京都へ。京都から世界へ。
特別対談
田根 剛×横内敏人
日 時 : 2017年11月25日(土)
14:30~16:40
進 行 : 前半 田根剛氏/横内敏人氏 講演
後半 両氏による対談(コーディネーター 関谷昌人)
会 場 : 京染会館(四条烏丸交差点を西へ5分)
参加費 : 500円(JIA京都地域会会員無料)
定 員 : 120人
申込制 : 定員になり次第締切
申込先 : JIA京都建築家展実行委員会 kenchikuka-ten@jia-kyoto.org
問合先 : 実行委員会事務局(設計組織DNA内)tel 075-255-7120
主 催 : 公益社団法人 日本建築家協会近畿支部京都地域会
協 賛 : 大光電機株式会社
イベント名称 | 特別対談「田根 剛×横内敏人」 JIA京都建築家展2017 世界から京都へ。京都から世界へ。 |
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開催日時 | 2017年11月25日(土) |
募集期間(締切日) | 定員になり次第締切り |
講師 | 田根 剛×横内敏人 |
内容 | JIA京都地域会では、これまでに3回の「建築家展」 を行ってきました。今回のテーマは「世界から京都へ。 京都から世界へ。」 世界からの多くの観光者が訪れ、空前の宿泊施設の建築 ラッシュが続きます。まちのサインには複数言語の併記、 交通機関での音声案内もされ、まちの様相が急速に変化 していくのを実感しています。 様相の変化は京都にとって良いこともありますが、一方 失われて行くものもあります。我々は建築設計を通して、 京のまちのあり方をいま一度見直しつつ、建築家展を通 じて世界に向けて我々ができることを考える契機とした いと思います。 2020年には東京オリンピックが開催され、更に世界 の人たちと接点が増えます。その前に、京都をもっと知 って頂きたいと思います。私たち京都の建築を通して、 京都の歴史や風景や文化を世界の人達に伝えるきっかけ になることを願った展覧会です。 この建築家展の特別イベントとして、2006年に国際コン ペで優勝し、10年の歳月をかけて完成させた「エストニ ア国立博物館」をはじめ、世界各国でプロジェクトを手 掛ける田根剛さんを迎えて、トークイベントを開きます。 またJIA京都地域会からは学生時代を海外で過ごした 横内敏人さんにご登壇いただき、世界で学ばれた経験を 元に、京都で、そして日本で建築をつくること、日本の DNAをもった建築をつくることの意味をお話いただきま す。 イベントの後半はお二人の対談として、現代において 世界と日本を横断しながら、建築を考えることの意義、 また建築と都市、建築と他分野を横断しながら作品をつ くっていくことの楽しさや苦労などをお聞きしたいと思 います。 |
参加対象 | 一般 |
定員 | 120名 |
参加費 | 500円(JIA京都地域会会員無料) |
会場 | 京染会館 |
住所 | 京都市中京区四条通西洞院西北角 |
地図の表示 | 京都市中京区四条通西洞院西北角 |
主催・共催等 | 公益社団法人 日本建築家協会近畿支部京都地域会 |
お問い合わせ先 | 実行委員会事務局(設計組織DNA内)tel 075-255-7120 e-mail JIA京都建築家展実行委員会 kenchikuka-ten@jia-kyoto.org |
【レポート】
JIA京都建築家展2017「世界から京都へ。京都から世界へ。」の関連イベントとしてパリより田根剛さん、JIA京都地域会からは学生時代を海外で過ごした横内敏人さんにご登壇いただきました。前半は田根さん、横内さんのご講演。後半は本展覧会実行委員長である関谷昌人さんのコーディネートのもと、対談をしていただきました。参加者は学生や若手の非会員が多く、定員120名を大幅にこえる150名が参加してのイベントとなりました。
田根さんは様々なメディアでも紹介されているように、弱冠26才の時に国際コンペで勝利した、「エストニア国立博物館」を2017年に約10年の歳月をかけて完成させています。本講演でも同博物館の紹介をはじめ、日本での住宅作品である「A House in Oiso」、2016年ミラノサローネでの「Light is Time」、新国立競技場コンペでの「古墳スタジアム」を紹介されました。それらを通じたコンセプトは「Archaeology of the Future」~遠い過去をほりおこすことで、その場所の未来をつくること、過去と未来をつなげることを目指されているとのことでした。我々京都で設計をするものにとって、示唆に満ちたコンセプトであり、美しく力強い響きをもった言葉だと感じました。
横内さんはご自身の海外経験を交えながら、京都で設計事務所を開設することになった想いや経緯を語っていただきました。帰国後、もう一度日本について勉強をした時に、平地と山の間に住んでいるということ、気候風土に根ざした建築~屋根、軒の歴史が日本の建築歴史の大きな要素であること、いわゆる飾りとしての装飾はなく、構造=装飾となっていること、庭(=思想)を見るための装置になっていること、日本独自の光が存在すること等々を指摘した上で、その後の「若王子のアトリエ」をはじめとする代表作についてお話をいただきました。また教育者でもあることから、建築歴史教育における近代と前近代の断絶についても指摘されていました。
対談では英語によるコミュニーケーションと仕事のすすみ方、海外ではとかく言葉での説明が大切であり、言葉でしか人を動かせないこと。個人と組織、個人と個人の関係の違い。日本人はダラダラ働き、アメリカ人は集中して働くなど昨今の日本人の生産性の低さにも話しがおよびました。中でも田根さんは「決めることの未来への責任」説き、横内さんは「海外では地域主義は当たり前で、歴史的文脈の中での自分の設計への位置づけ」が重要と指摘されていました。
日本における日常の仕事の中では、自分自身の立ち位置を理解することは難しいですが、この対談を通じて参加者各人がこれからの自身の生き方の一方向を見つけてもらったのではと思います。
JIA京都建築家展2017副実行委員長/角 直弘
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