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  • 投稿:2021年1月19日
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Catalyst(カタリスト)第5回 【キッチンハウス】名前の通りキッチンメーカーである。(第1部)

今回のカタリストは、私、田中(キッチンハウス2011年入社)が新人の頃よりお世話になっている、建築家の奥和田さんの所へ行きました。直近のキッチンハウスの動向や、建築家が考えるキッチン、施主への提案時にされていることなど、キッチンハウス営業マネージャーの王治と根掘り葉掘りお伺いしてきました。

「こんにちは~」と事務所の前で迎えてくれる奥和田さん。長髪にピンクの靴。いつものスタイルです。

王治、田中「本日はよろしくお願いいたします。」…以後K(キッチンハウス)

奥和田「こちらこそお願いいたします。」…以後O(奥和田さん)

キッチンの素材について話してみた

K「この案件の奥和田さんの造作キッチン、素材はモールテックスですか?」

O「そうです!!」

K「モールテックスってかっこいいですよね。」

モールテックスのサンプルを見せる奥和田さん

O「経年劣化やヒビを考えると、住宅のカウンターではモールテックスを使うことが多いです。ただ、樹脂的な風合いを感じるので、素材感をキチンと出したい店舗等では、そのままモルタルを使います。目の肥えた方が見たら違いは判るので。」

K「モールテックスの防水性やシンクの取り付けについては、どうなのですか?」

O「防水性はあるので、キッチンでも問題ないです。シンクはオーバーで取り付けています。」

K「ちなみにモールテックスはコスト的にはどうですか?」

O「高いですね… 現場で塗る職人さんも限定され、一定の物が作れないので、キッチンメーカーとして採用は難しいかと思います。」

K「モールテックスはよく話題に出ますが、メーカーが扱うのは難しそうですね。では、メーカーが新しく出す素材としては、何が良いですかね?」

O「今、キッチンハウスさんで出されている面材も十分魅力的ですよ。このカタログの面材も使い方含めて綺麗じゃないですか。」

K「トリュフビーチ(突板)ですね。この事例はあえて縦木目と横木目を組み合わせてみました。」

トリュフビーチ事例と、それを見る奥和田さん

O「縦木目と横木目の組み合わせとか良いですね。グレー色の塗装扉との組み合わせも良い感じですね。」

エバルト/メルクリオ

K「カラーについてはどうですか?エバルト(メラミン)ではメルクリオという柄が人気です。」

O「この色合い、いまの時代の流行なのかと思います。家を構成する他のアイテムにも同じテイストの物があり、最終的に住宅として、まとまり易い。」

SNSの効果とキッチンハウスブランドについて話してみた

O「そういえば、キッチンハウスさんのインスタグラム凄いですね!」

K「見ていただいています?」

O「見ていますよ!凄いじゃないですか!!何万フォロワーくらいですか?」

K「キッチンハウス2.9万、グラフテクト1.7万程度(21年1月現在)なので、4万人を超えました。キッチンハウスは5年前、グラフテクトは4年前から地道に始め、皆さんに#(ハッシュタグ)も含め、ご活用いただけているようで、有難いことだと思ってます。」

キッチンハウスインスタグラムを説明する田中と、驚く奥和田さん

O「これから家を建てる人がキッチンハウスに行ってきた、という内容もインスタでよく見ますよね。」

K「うちの広報担当も社内で表彰されるほど、有益な媒体となっています。(笑)」

O「ブランドがしっかり確立しているので、それがやっぱり良い。グラフテクトの選択肢もあり良いですね。」

K「ありがとうございます。価格が75万円からと明快なグラフテクトは凄く順調に売れています!コロナの影響もあり、お客様がショールームへ来店しにくい状況で、何度も打ち合わせができない中、完結に済ませたいという声も多く、図面や見積り発注などwebで完結できるグラフテクトは好評です。」

K「実は、もうひとつ、新しいカテゴリーとして『キッチンハウスベーシック』を出しました。お薦めレイアウト、サイズ、機器、素材をセレクト。システムの改善により設計や積算に関わる経費が削減できたことで、今までよりもお求めやすく、お客様価格が200万円程度からご案内できるのです。より、自由度の高いカスタム性を求める方には、今までどおり『キッチンハウス』をご案内しています。キッチンハウスとグラフテクト、両ブランド共、お客様に合わせてしっかりと確立させていくようにしています。」

O「なるほど。勉強になるなぁ。こういう取り組みも必要ですね。」

奥和田流 施主が満足するキッチン選定とコミュニケーション

K「キッチン選定について、どのようにお施主様と打ち合わせをされていますか?」

O「今までの経験で、施主が望まれていることは、なんとなく解ります。予算や好み、後々も考え、施主自身でもメンテナンスし使える人には造作で作ります。メーカーと一緒にメンテナンスした方が喜ばれそうな方には、キッチンメーカーをご紹介する感じです。例えば、ガンガン料理をする施主さんは、ディテールより使い勝手やメンテナンスを望まれるので、メーカーキッチンを優先して説明しています。」

K「ちなみに何回くらい打ち合わせされるのですか?契約時期などもありますよね。」

O「住宅の場合、相談に来られて話していろいろ聞いて、その後に契約ですね。そこからプランを考える。打ち合わせは半年以上かな。2週に1回程度はしているので、設計打ち合わせは15回。着工してからもあるので、完成まで30回くらいは打ち合わせがあります。」

K「いや~、それだけ密な関係になるのですね。凄い!」

キッチンのレイアウトについて

K「レイアウトの選定はどのように?お施主様からの要望があるのですか?」

O「施主の8~9割がアイランドや対面に憧れています。(笑)憧れる気持ちは解るのですが、本当にその人に合っているのか、一緒に考えることにしています。敷地の特性・形状など、施主には分からない部分も多く、全体的に紐解きながら進める感じです。」

K「お施主様が『絶対こう!このレイアウト!』と決めている方は、多いですか?」

O「そういう方は、建築家や設計事務所に頼みに来ないと思います。施主が悩まれ建築家に話を聞き『一緒に物を作ってみようかな』と思う時に、建築家の仕事が生まれるのかと思いますよ。」

デュエ(シンクがアイランド側、コンロが壁側の二列型レイアウト)

K「そういえば、最近、デュエ(二列型)のレイアウトが人気です。他社でする場合、価格が結構あがりますが、『キッチンハウスベーシック』の場合は大丈夫です。ペニンシュラやアイランドとあまり違いがない価格メリットで提供できます。」

O「そうなのですね、凄い。」

K「デュエ(二列型)は、都市部に多い狭小住宅でも大丈夫です。シンク・コンロが分かれている事で、コンパクトな提案ができます。ご夫婦での調理や、お子様がお手伝いするシーンもお伺いすることが最近多く、複数名で作業しやすいのもデュエ(二列型)のメリット。また、コンロが壁側の方にあれば排気についても有利なので、いろいろな状況を加味して、オススメすることが増えています。」

O「デュエ(二列型)は回遊性を持たせたり、キッチン+αでパントリーや水回り動線など考えたりもできますよね。憧れのペニンシュラやアイランドから始まった計画でも、デュエに落ち着くことが多いです。」

K「今後、どのようなキッチンデザイン・素材などあれば、使いやすいなどありますか?」

O「テーブルの上をキッチンにして調理して、テーブルの上で食事したい。これは個人の理想です。」

K「直近で採用していただいたのも、レイアウトが『ポポラート』で、そういう感じですね。これはテーブルとキッチンがフラット一体のレイアウトがポイントです。」

ポポラート(シンク・コンロ・テーブルが一体になったレイアウト)を説明する王治

O「そうそう、これも良いなと思いました。テーブルにシンクとコンロを付けて、その中で料理して、食べて、仕事もして。そういう家具ですよね。」

K「そうですね、今やキッチンは家具ですね!さまざまな生活スタイルに合わせたご提案をさせていただきたいです。」

建築家から見るキッチンハウスのショールームとキッチンのスタイル

K「キッチンハウスのショールームイメージってどんな感じですか?他のメーカーと比べて。」

O「他のメーカーは【商品を展示】していて、キッチンハウスは【スタイルを展示】していると思います。そこの違いで、施主の暮らし方を含め見ていただける空間だと思います。」

K「ありがとうございます。ショールームでは実際の生活をイメージしていただけるような展示を心掛けているので、今後もキッチンハウスらしいスタイルを展示していきます。」

O「うちの、スタッフのことで恐縮なのですが。キッチンハウスのショールームに行ったことがないらしく…。」

K「是非、キッチンハウスのショールームへ。」

他にもいろいろと聞きたいことはありましたが、残念ながら時間が足りず…。
第2部では、奥和田健建築設計事務所のスタッフさんが「キッチンハウスショールームに行ったことがない。」ということで、早速来ていただく運びとなり、その際の内容を記事にします。

第2部の記事はこちら
https://jiakinki.org/jk2024/kinki/wp2022/iinkai/sanjyokaiin/13371.html

キッチンハウスについて

【キッチンハウス】
関西では大阪市西区と神戸市中央区にショールームを構える老舗キッチンメーカー。
現在は『株式会社TJMデザイン』という創業1909年の総合建築工具メーカーの一事業部で、大きく分けて、「タジマツール事業部」と「住設事業部」の括りがあり、【キッチンハウス】は、住設事業部の中に位置している。
※元々は1976年設立の『株式会社キッチンハウス』だったが、2005年に『株式会社TJMデザイン』が買収し、現在の体系となった。

株式会社TJMデザイン キッチンハウス大阪店 田中 孝文

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