リフォームの場合の注意点
リフォームにおいても設計図面は必要です。
リフォームのトラブルでは、実際にできたものがイメージしていたものや、事前に打ち合わせしていた内容と違う、施工の程度が悪く納得できる仕上げになっていない、などの相談が多く寄せられています。
こう言ったトラブルのほとんどは、見積りを決定するための根拠となる図面が作成されていないことが大きな原因です。工事内容を示す図面がない場合、工事契約見積の内容も明細がなく「一式」で表現されるものが多く見受けられます。
リフォームは図面を作っても、撤去してみないと構造や下地など、はっきりとした事は分らないと思われがちです。しかし、リフォームの案件に真摯に関わってきた建築家であれば、その建物の構造や仕上げ、下地の状況について、調査や経験をもとに、ある程度正確な現況図を作成することができます。そして、その現況図に対して、どうリフォームを行うかを、施主と納得できるまで何度も話し合いを重ね、工事見積りのための設計図書を作成して行きます。
設計図書は新築工事と同様、必要に応じて構造図や設備図、仕上げや細部の納まりを現した詳細図などの意匠図で構成されます。この設計図書を基に、数社の工務店を対象に工事費見積を取ることができ、見積内容も詳細なものになり、数社の比較検討をすることも可能になります。
また、工事は図面と契約見積書を基に進められますので、現場での変更があっても増減額についてきちんとした清算をすることができます。
もちろん工事費とは別に設計監理料が必要ですが、工事の大小にかかわらず、建築家と十分な相談を踏まえて作成された図面を基に工事を行うことは、ご自分のイメージする空間をトラブルなく実現するために不可欠であると思います。