建売住宅の購入時の注意点(分譲マンション購入時を含む)
立地条件、地盤、建物の構造的安全性、室内の空気環境などについて確認しましょう。決定前に建築家に是非ご相談ください。
既に完成している建物を買うことは、「売買契約」と定義しています。つまり、建築主は、販売元の不動産屋であったり開発業者であったりします。
住宅物件の購入を決める前の幾つかの注意点についてお話しします。
(1)立地条件について:交通機関、教育機関、買物などの日常生活範囲
周辺施設の夜間や休日又は平日の様子も確認してください。お子様が小さい時は、公園や周辺の交通量なども考慮する必要があります。
(2)地盤について:建物が建つ最も重要な項目のひとつ
周辺環境からもある程度推定できます。元はどんな使われ方をしていたのか、古くからある住宅地なのか、田んぼだったのか、山だったのか、などです。さらに「盛土」なのか、「切土」なのかは重要なチェックポイントです。戸建て住宅などで地盤改良がなされている場合は、施工報告書や保証書を入手してください。
(3)建物の構造的安全性について:地震や台風などの自然災害に対応する能力
1.建築確認申請が提出され、確認通知を受けているか?(確認済証の有無)
2.中間検査合格証(鉄筋の配筋検査や、構造金物、構造用合板などの確認)
3.完了検査済証(建物が申請通りにできているかの最終検査)
4.工事監理報告書(上記一連の現場作業が適切に行われたかを証する報告書)
以上の4点は、必ず確認してください。書類あるいはコピーの受領をすることも必要です。これらに加えて工事中の施工写真なども尋ねてみてください。住宅性能保証書、瑕疵担保責任保険加入書等は、必ず受領してください。
(4)室内の空気環境について:特に化学物質過敏症やアレルギー、喘息などへの対処
一般の建売住宅の中には、このようなシックハウス対策が不十分な場合もあります。屋内で気軽に深呼吸ができるか確認してください。最近の建物には殆ど有害な建材は使用されていませんが、これらを原因とする症状程度は人それぞれ千差万別で法の規制通りにはいきません。ご自身の体で確認するしかありません。必要に応じて改修(有償)を依頼することになります。また、仕上げの程度や温熱環境(断熱性能)の確認も必要です。
以上の事柄について、疑問や質問があれば是非建築家にご相談ください。建売住宅やマンションの購入決定前に、建築家に同行を依頼しいろいろとプロの目で確認してもらうことも可能です。(有償となりますが、それぞれご相談ください。)